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第10世代のTCRシリーズには、これまでで最速のTCRを生み出すために、新しいフレーム設計と構造技術が盛り込まれています。私たちのテスト方法の詳細と、重量、剛性、効率、エアロダイナミクスのテスト結果は下記の通りです。

重量比較

フレーム重量は一見客観的に見えるものの、一方でブランドの「フレームセット」の定義に依存しています。GIANTは公正なテストのため、「フレームセット」を以下のように定義しました。

  • Mサイズ、未塗装
  • 製品版のフロントフォーク(スペーサー高さ20mmにカット)
  • ヘッドセット/エキスパンダー/トップキャップ/スペーサーを含む
  • シートポスト(ISPまたはシートポストはフレームセットに含む)
  • シートクランプ/ISPクランプ
  • フロント・リア ディレイラーハンガー
  • すべての付属品(ウォーターボトルケージボルト、その他)

重量比較

2021 TCR ADVANCED SLNEW TCR ADVANCED SLNEW TCR ADVANCED PRONEW TCR ADVANCED
Frame765 g690 g800 g800 g
Fork330 g330 g330 g382 g
Frame Paint50 g56 g79 g68 g
Fork Paint10 g10 g16 g14 g
Seatpost/ISP Clamp103.9 g107 g215.9 g215.9 g
Front Derailleur Hanger14.5 g14.5 g14.5 g14.5 g
Rear Derailleur Hanger13.4 g13.4 g13.4 g13.4 g
Expander35.7 g41.4 g41.4 g23.85 g
Top Cap6.6 g5.5 g6 g8.21 g
Headset and spacers67.93 g90.8 g93.8 g87.4 g
Total Weight1397.03 g1358.6 g (38.43 g less) (2021 TCR ADV SLとの比較)1610 g (251.4 g more) (NEW TCR ADV SLとの比較)1627.26 g (268.66 g more) (NEW TCR ADV SLとの比較)

*Frame and fork paint weights based on the following models: MY25 TCR Advanced SL 0, MY25 TCR Advanced Pro 0, and MY25 TCR Advanced 0. Frame and fork paint weights may vary based on the color and graphic designs of a specific TCR bike model.

剛性

剛性は、Mサイズのフレームセットを業界標準によって確立されたプロトコルを使用して評価しました。GIANTは、対応するフォークを所定の位置に装着して、ステアリング(横方向)とペダリングの剛性の両方をテストしました。これにより、自転車が実際の状況でどのように性能を発揮するかをより正確に測定し、テスト手順が実際の路上で実感できるパフォーマンス向上につながるように確認しています。

テストでは、フレームセット全体が荷重下でどれだけのねじれが生じるかを測定しました。各フレームはリアドロップアウトで固定され、フォークに横方向の力が加えられます。フレームの剛性が高まると、路上でのコーナーリング性能が向上するとともに、ライダーの入力に対する反応が向上します。新型TCR ADVANCE SLは前世代と比較して大幅に軽量化されていますが、駆動剛性がは0.53%向上しています。

フレーム剛性の向上はパワー伝達の向上を意味し、ライダーはより少ない労力でより高い速度に到達し、維持できるようになります。軽量化と高剛性の組み合わせにより、比類のない全体的な効率が実現しています。

剛性

ComponentStiffness Type2021 TCR Advanced SLNew TCR Advanced SLNew TCR Advanced ProNew TCR Advanced
Fork横剛性 (N/mm)76.877.677.674
Frameペダリング剛性 (N/mm)70.967364.262
駆動剛性*駆動剛性 (N/mm)149.8150.6141.8136
00.53% 向上 (2021 TCR ADV SLとの比較)-5.84% (NEW TCR ADV SLとの比較)-9.69% (NEW TCR ADV SLとの比較)

*(lateral fork and frame pedaling)

効率性

新しいTCRシリーズは、剛性を向上させ、重量を軽減することで、全体の効率 (重量剛性比) を大幅に向上させています。

効率性

特徴2021 TCR Advanced SLNew TCR Advanced SLNew TCR Advanced ProNew TCR Advanced
駆動剛性 (N/mm)149.8150.6141.8136
フレームセット重量 (塗装済/kg)1.391.351.611.62
重量剛性比107.23110.8588.0783.58
3.38%向上 (2021 TCR ADV SLとの比較)-20.55% (NEW TCR ADV SLとの比較)-24.60% (NEW TCR ADV SLとの比較)

前世代のTCRでは主要なエリアに、トランケイテッド・エリプス(楕円の後部を切り落とした新しい翼型形状)を採用して、よりエアロ性能に優れたフレームセットとなりました。この進化のために、数値流体力学(CFD)と風洞テストを使用し、従来の「ティアドロップ」形状のチューブと比較して、より広い範囲のヨー角で一貫して空気抵抗を低減する新しい翼形形状を生み出しました。

新型TCRでは、エアロダイナミクスをさらに前進させました。最も大きな進歩は、ダウンチューブ、シートポスト、フォークの形状で実現されています。

実世界でも同様のパフォーマンスを発揮できるように、標準的な600ccのウォーターボトルを装着した状態でダウンチューブの周囲の空気の流れを設計しました。その後、ドイツのインメンシュタードにあるGST風洞実験施設で、フレーム、フォーク、コックピット、ホイールシステムを含むシステム全体を改良しました。

実際の走行状態を最適にシミュレーションするために、人間でテストする場合におけるライダー固有の一貫性のない変数を使用せずに、動的マネキンを使用して実世界のライディング時の力学と条件を再現しました。他のブランドは通常静的なマネキンを使用します が、GIANTがテストで使用する動的マネキンであれば、ライダーのペダリング時の空力効果を正確に再現することができます。

テストでは、温度と湿度が制御された環境で風速40km/h、ヨー角が-20~+20°を再現しました。そして、動的マネキン、回転するホイール、可動するドライブトレインにより、可能な限り正確な空力解析を可能にしました。これは、新しいTCRフレームセットのデザインを具現化し、OVERDRIVE AEROステアリングコラムやコックピットコンポーネントを含むシステム全体を微調整するのに役立ちました。

COMPARATIVE AVERAGE LINEAR DRAG

特徴2021 TCR Advanced SLNew TCR Advanced SL差 (Watts)
Average 2021 TCR Advanced SL frameset to new TCR Advanced SL frameset drag @40kph with two bottles and cages from -20 to +20 degree yaw angles (watts)252.1249.822.28 W 向上
Average 2021 TCR Advanced SL 0 complete bike to new TCR Advanced SL 0 complete bike drag @40kph with two bottles and cages from -20 to +20 degree yaw angles (watts)254.01249.824.19 W 向上