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勝利するために作られたバイク

まずはじめに、まったく新しいPROPELは、あくまでレースで勝利するために作られたということです。新型PROPELがツール・ド・フランスでデビューした理由がそこにあります。このバイクは、チーム・バイクエクスチェンジ・ジェイコのディラン・フルーネウェーヘンやマイケル・マシューズなどのプロライダーが、最も重要な局面でアドバンテージを得られるように設計されています。

何年にもわたるエンジニアリングおよび開発、そして今年初めの比較的小規模なレースでの追加テストを経て、フルーネウェーヘンは、ツール・ド・フランス第3ステージ優勝という彼のキャリアで最大の勝利とともに新型のPROPEL ADVANCED SLを世界に披露しました。フルーネウェーヘンは僅差のスプリントを制して、世界最高のスプリンターたちに勝利したのです。13日後にはマシューズが厳しい起伏の多い第14ステージにおいて劇的な単独アタックを決めて勝利し、新型PROPELがスプリント以上のことを成し遂げられると証明しました。

フルーネウェーヘンやマシューズのようなスプリンターにとって勝敗をわけるのは、位置取り、追走、アタックなどが激しく起こる最後の数キロです。肘のぶつかり合い、大きく体を傾けて曲がるテクニカルなコーナー、前方で受ける突風。新型PROPELは、このような状況下で他者を一歩リードします。

新型PROPELシリーズは、次の3つのパフォーマンス要素を念頭に設計されています。

総合的な空力性能

新型PROPELの設計指針は、AeroSystem Shapingテクノロジーです。これは、フレームのすべての部分を総体として捉えることができるプロセスです。すべてのチューブ、フレームの接合部、角度、コンポーネントの一つひとつを分析して、さらに全体的なシステムとして捉えることです。

このシステムを構成するさまざまなパーツを作り出すときの目標は、実際の走行条件をシミュレートすることです。このプロセスのためにエンジニアリングチームは、数値流体力学(CFD)と呼ばれる気流のシミュレーションソフトを使用します。すべての数値が計算された後、物理的な形状を作り上げます。その後、風洞実験を経て、最終的にはサンプルバイクを制作して、プロアスリートと共に実走テストを行います。

Propel Advanced SL shown from top view
トランケイテッド・エリプス・エアロ・ロードバイクチューブ
AeroSystem Shapingによって、ダウンチューブ、シートチューブ、シートステイなど、フレームセットの主要な部分に、トランケイテッド・エリプス(楕円の後部を切り落とした新しい翼型形状)を採用しました。実際の走行条件を正確にシミュレートするために、ドイツのインメンシュタットにあるGST風洞設備で高度な空気力学の専門家と協力し、動的マネキンを使用して、バイクだけでなくライダーとバイク全体の空気力学的要因を分析しています。
Side profile of Propel road bike in studio environment
空力設計への総合的なアプローチ
CFDと風洞解析の組み合わせによって、新型PROPEL ADVANCED SLフレームセットは改良されました。エアロダイナミクスが最も重要となるフレーム前部には、彫刻されたようなラインと抵抗を最小限に抑えるためのトランケイテッド・エリプス(楕円の後部を切り落とした新しい翼型形状)を採用しました。また、空力設計への総合的なアプローチとして、ダウンチューブとシートチューブに異なる形状の専用ボトルケージを作り、それぞれのチューブで空気抵抗を最小限に抑えました。
Front view of Propel road bike with handlebars
エアロコンポーネントの統合
エアロ性能の向上に関して、フレーム自体はストーリーの一部にすぎず、すべてではありません。独自開発の新型Contact SLR Aeroハンドルバーとステムも、新型ホイール「CADEX 50」やタイヤ「CADEX AERO」と同様に空気抵抗を低減します。新型PROPEL ADVANCED SLを前世代と比較すると、新型は空気抵抗を6.21w低減します。これは前世代が時速40kmで1時間走行した場合と比較して、同じ出力で27秒の短縮に相当します。

レースに勝つための効率性

新型PROPEL ADVANCED SLは、GIANTの最上級のカーボン原糸と最先端の製造技術で作られ、前世代よりも高い重量剛性比を実現しています。競技者にとって、パワーウエイトレシオ以上に重要なことはありません。そのため、新しいPROPELをより高剛性で軽量にすることが必要不可欠でした。

テストによると、新型フレームセットはエアロロードのカテゴリーで最軽量であるだけでなく、剛性も大幅に向上しています。軽量化と剛性の向上により、ロードバイクの効率アップにつながります。フレームとフォークに使用されるADVANCED SLカーボン素材のレイアップとチューブ形状を正確に決定するために、GIANTのエンジニアは剛性に関して2つ主要分野に焦点を当てました。一つ目のフレーム剛性は、荷重状態でのフレームとフォークのねじれ剛性を測定し、もう一つのペダリング剛性は、ボトムブラケット部の横方向のたわみ剛性を測定します。

Detail of downtube on Propel road bike
オールラウンドな性能
剛性アップのほとんどは、ヘッドチューブ、ダウンチューブ、ボトムブラケット周辺の改良によってもたらされます。しかし、フレームセットを超高剛性にするだけでは必ずしも速くなるとは限りません。現実世界の条件で全体的なパフォーマンスを最適化するには、柔軟性とコントロール性も重要な要素です。そのため、新型PROPELのリアフレームは、よりスムースな乗り心地を実現するために再設計され、さらに高性能なオールラウンダーになっています。
detail of seatpost and chainstays
ハンドリング性の向上
シートチューブ、チェーンステイ、ISPはすべて再設計され、前世代のPROPEL ADVANCED SLと比較して細径チューブを採用しています。この新しいデザインは軽量化にも貢献してハンドリングも向上しています。新型PROPEL ADVANCED SLは、前世代と比較してリアエンドの柔軟性をISPを介して85%向上しており、長時間のライドでも疲労を最小限に抑えます。また、フレームとフォークのクリアランスを拡大したことで、最大30mm幅のタイヤの装着を可能にして、よりスムースなライディングを実現します。

調整が容易な内装ケーブルルーティング

革新的な新デザインの2ピース型Contact SLR Aeroハンドルバーとステムのコックピットが個別の部品変更を可能にして、より正確なフィッティングを可能にします。この新しい「OverDrive Aero system」は、ケーブルとホースを完全に内装して空気抵抗の軽減と調整の容易さを両立し、近年のエアロロードバイクが採用する一体型ハンドルバー&ステムの短所を補っています。

新しいContact SLR Aero carbonカーボンハンドルバーは、エアロ効率と手を置いた際の快適性を高めるフラットトップ形状を採用しています。また、スプリント、コーナリング、下りでのコントロールに最適なドロップを備えています。

Top view of handlebars on road bike
Side view of handlebars on Propel
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