今年で3年連続6回目のジャパンカップ参戦となったTeam Jayco AlUla。宇都宮でもすっかりお馴染みとなったチームをゲストに迎え、初開催となった本イベント「Team Jayco AlUla Ride & Meet」には、西は愛知から東は山形まで、約50名のファンの皆様にご参加いただきました。
チームからは、マシューズ選手をはじめ、今季は国内選手権でロードとTTの2冠を達成したマウロ・シュミッド選手(スイス)、2023年には2位に入ったフェリックス・エンゲルハート選手(ドイツ)、6年ぶりの参戦となるクーン・ボウマン選手(オランダ)、初参戦のマイケル・ヘップバーン選手(オーストラリア)に加え、パリ~ルーべ覇者で宇都宮でも人気を集めるマシュー・ヘイマン監督が参加。日本への移動やシーズン終盤の疲れなどなんのそので、時間いっぱいにファンとの交流を深めてくれました。

イベントの開催は、午後に宇都宮市街地でのクリテリウムを控えた10月18日(土)の朝。「Ride & Meet」の一行はまず、憧れの海外プロレーサーたちと共にジャパンカップ本戦のコースを走ることのできる大会公式プログラム「オープニング・フリーラン」に参加しました。
5名の選手たちは参加者を従え、サドルトークを楽しみながら、勝負所となる急勾配の「古賀志林道」をはじめとした1周10kmのコースをゆったり目に1周。前日にコース試走をしなかった選手たちにとっては試走を兼ねており、ラスト1kmだけは本番を見据えたハイぺースに移行。終盤まで選手たちと走れた参加者の皆さんにとっては、プロのスピードの片鱗を見ることができた貴重な瞬間になったはず。

あっという間だけど濃密なオープニング・フリーランが終わると、一行は「Ride & Meet」限定のライドへ。約7kmと距離は短いものの、途中には2か所の激坂が含まれおり、最大斜度15%越えの「多氣クライム」で先頭を走っていたマシューズ選手がほんのりとペースアップしてファンサービス(?)。本人は「50%程度」と言いながらも、近くにいた10名ほどの参加者は心拍数MAXのフルガス状態となり、ここでもプロの「凄さ」を垣間見ることになりました。
程なく一行はフィニッシュ地点の「大谷資料館」に到着します。ジャパンカップの優勝トロフィーにも採用されたことのある地元の名石「大谷石」にちなんだ観光施設に、ボウマン選手は「ここはどんな場所なんだ?」と興味津々で、その異質な光景をスマホで写真に収めていました。


5名の選手たちにへイマン監督が加わっての交流タイム(サイン会)も大盛り上がり。サインをもらうために参加者の皆さんが用意したグッズはバラエティーに富み、定番のチームボトル、キャップ、写真パネルに加え、この9月に発売されたばかりのチームカラーのTCR Advanced SL完成車を持参した方も。さらにはカスタムペイントで制作したマイヨヴェール(ツールポイント賞)仕様のTCR Advanced SLには、マシューズ選手も大喜び。また、多くの参加者の方に、選手たちへのプレゼントをご用意いただき、イベントが終わる頃には選手たちに配ったサコッシュは満杯に。
イベントの最後には、パリ~ルーべの優勝トロフィーになぞらえたサプライズとしてヘイマン監督に、GIANTのブランドロゴである「RUSH MARK(逆三角形のGマーク)」を模した特製大谷石トロフィーをプレゼント(さすがに持ち帰れないとのことでGIANTにて厳重に保管しております)。大盛況のイベントは、参加者全員での集合写真でお開きとなりました。
マシューズ選手ショートインタビュー「GIANTのアンバサダーになれたら最高だと思っている」
2017年のツール・ド・フランスではTCR Advanced SLと共にポイント賞を獲得。ベテランの域に入った現在もクラシックレースを中心に優勝や上位フィニッシュを繰り返すマシューズ選手へのショートインタビューをご紹介します。
Q.これまで鋭いスプリントで数々のビッグレースを制してきました。スプリントのコツを教えてください。
(頭を指差しながら)頭を使って考えることと、メンタルを強く持つことが重要。ただ自身のことをスプリンターだとは思っていない。ワールドツアーの大集団スプリントはとにかくクレイジーでリスクが大きすぎる。なので、レースではハードな展開に持ち込んで集団の人数を絞り、小集団スプリントに持ち込むようにしている。これが自分のレーススタイルなんだ。
▲今年5月のエシュボルン・フランクフルトでは集団を34名まで絞り、最後にスプリントを制して勝利した
Q.好きなGIANTのバイクは?
ロードバイクでいえばPropelだね。TCRも美しくて良いバイクだけど、レースではPropel Advanced SLのスピードが助けになる。他の多くのチームメイトも同じように考えているよ(古賀志林道の厳しい登りが名物のジャパンカップですが、今回来日した5名の選手はいずれもPropel Advanced SLを選択し、スペアバイクも全員がPropel Advanced SLでした)。
▲マシューズ選手のPropel Advanced SL
それと、グラベルバイクのRevolt Advanced Pro (リボルト) もとても気に入っているよ。マーブルカラーがとても美しく、ガタガタ道がフラットに感じるほどスムーズな乗り心地がね。ロードバイクと揃えて、同じくお気に入りのCADEX Aero Integrated Handlebarを取り付けているんだ。
すぐの話ではないが、引退後はGIANTのアンバサダーになれたら最高だと思っている。いいバイクと共に世界中を旅しながら、GIANTユーザーや販売店の人達とライドしたいね。トム(・デュムラン)と一緒に旅するのもいいと思う。彼のマリアローザと、自分のマイヨヴェールの組み合わせは最高だろ?(笑)
▲マシューズ選手がお気に入りだと語るグラベルバイクRevolt Advanced Pro
Q.引退後の話が出てきましたがグラベルレースに興味はありますか?
グラベルはただ楽しく走りたいね。例えばグレッグ・ヴァンアーヴェルマートのように、ロードのプロ引退後も、グラベルレースのためにトレーニングを続けている例もあるけど、自分にはちょっと考えられない。それに(2022年の)ストラーデ・ビアンケで落車して顎を切ったからグラベルのレースにはいい思い出がない(笑)。同じ悪路なら石畳のほうがましだね。

ファンサービス、そしてレースでの走りでジャパンカップを沸かせたTeam Jayco AlUla。レースでは望んだ結果を得ることはできなかったものの、そのリベンジのため、また選手たち自身が「熱心」と語る日本のファンのために、きっと来年も宇都宮の地に戻ってきてくれることでしょう。チームへの応援、そして「Team Jayco AlUla Ride & Meet」へのご参加ありがとうございました。
宇都宮ジャパンカップでのTeam Jayco AlUlaの模様は、本ページ冒頭のYouTube動画に加え、GIANT JAPAN公式Instagramのリール動画でもお楽しみいただけます。
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チームプレゼンテーション
Team Jayco AlUla Ride & Meet
クリテリウム
ロードレース
Movie by Ryuta Iwasaki (https://www.ryutaiwasaki.com/)
Photo by Ryota Nakatani, Yuya Yamamoto