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シマノレーシングが語る PROPELとTCRの魅力

2025年4月24日

チーム/ライダー

10年以上に渡ってジャイアントのバイクと共に、国内外のレースで勝利や好成績を積み重ねてきたシマノレーシングには現在、「Propel Advanced SL」と「TCR Advanced SL」がメインバイクとして供給されています。シーズンイン前の沖縄チーム合宿で選手たちに、それぞれのバイクの魅力を聞きました。また、文末では沖縄合宿の様子や今季の目標についてもご紹介します。


【入部正太朗選手と中井唯晶選手が語るPropel Advanced SL】

「Propel Advanced SL」のインプレッションを伺ったのは、元全日本王者の入部正太朗選手と、2023年Jプロツアー総合優勝者の中井唯晶選手。登りが多いレースでもPropelを一貫して使い続ける両選手が語る、その魅力や乗り方のコツとは?


入部選手「Propelの気に入っている点は、ずばり推進力の高さです。前作のPropelも推進力が高く、伸びのある乗り味で、私好みのバイクでした。現行モデルは軽量化されたことで、登りで更に伸びるようになりました。ですので、コースプロフィールを問わず、ツアー・オブ・ジャパンの富士山ステージのような登りのキツいレースでも、Propelを選び続けています。

充分に軽いバイクながら、重心が低く、剛性バランスが良いことから、コーナリングや下りでもバイクの挙動が安定しています。TCRはこの部分が更に優れているのですが、今日のトレーニングで強風の中を走っている時も改めてPropelの安定感の高さを感じました。Propelの良さを更に引き出すには、ダンシング時にコツがあり、少し重めのギア比にしてあげると気持ちよく進んでくれます」


中井選手「自分の脚にちょうど良い剛性感が、お気に入りのポイントです。旧型のPropelも好んで乗っていましたが、縦剛性が高く、ダンシングが得意なバイクではなかったので、平坦専用という印象がありました。現行モデルではその剛性バランスが改善され、嫌な硬さがなくなったため、ダンシングしやすくなっています。良い意味で、エアロバイクらしさが無くなりました。

軽量化されたことも手伝って、登りも下りもスプリントも全てが得意になり、長距離のロードレースの終盤でも足を残すことが出来ます。TCRのスローピングスタイルに対して、Propelはホリゾンタルスタイルであることが良い方向に影響しているのか、スプリント時の接地感が高く、より安定して推進力を得ることでできるイメージがあります。コーナリングの安心感も高いですね。


乗って体感できるエアロ性能の高さも気に入ってます。レーススピードが上がっているタイミングで、特に集団の横から前に出ようとする時に、Propelの優位性を感じることができます」

【山田拓海選手と天野壮悠選手が語るTCR Advanced SL】

国内レースシーンでもエアロロードバイクのプレゼンスが高まる中、平坦基調の高速レースでも軽量オールラウンドモデルのTCRを一貫して使用するのは山田拓海選手と天野壮悠選手。前世代からTCRを愛用してきた2名の若手ライダーが語る、第10世代のTCRの進化とは?


山田選手「軽さ、そして、エアロバイクにも引けを取らない空力性能の高さが、このバイクの良さですね。快適性も高く、これまでに乗ってきた他ブランドのレースモデルと比較して身体への負荷が少なく、200km走って疲労が溜まっていたとしても乗りやすい、バランスの取れた良いバイクだと思います。軽量バイクながら下りやコーナリングも安心感が高く、横風に吹かれても影響を受けにくいです。

前作は踏み味が柔らかいと感じていて、パワーが逃げている感触がありました。現行モデルでは踏み味が硬くなったことで、より効率的にパワーを推進力に変換できている印象があり、結果的に登坂性能が向上しています。シッティングでもダンシングでも、踵を上げて、高いケイデンスでクランクを回して、踏み味の硬さを活かす乗り方が合っていると思いますので、ユーザーの方はぜひ試してみてください」


天野選手
「TCRとPropel、どちらもよいバイクなのですが、ダッシュした時のかかり具合が好印象なのがTCRです。加減速の大きな日本のロードレースでは有利と考え、TCRを選択しています。リアのトラクションが前作よりも改善したことと、踏み味が硬くなったことで、振りが軽くなり、特に斜度のある登りでの走りが良くなったのかと思います。

ジャイアントのレースバイクに共通した特長なのですが、このTCRでも下りや高速コーナーでは、他ブランドよりも大径のフォークコラムとベアリング(=OverDrive Aero)による安定感の高さを感じることが出来ます。乗り方のコツとしては、踏み味が硬くなった分、ダンシング時は意識的に強くハンドルを振ってあげると、よりレスポンス良く反応して加速してくれます」

【シーズンイン前に実施された沖縄合宿】


Jクリテリウムツアー開幕戦では中井唯晶選手と石原悠希選手が1-2フィニッシュ、3月中旬の西日本チャレンジでは表彰台を独占し風間翔眞選手が独走勝利と、2025年シーズン序盤から結果を出し始めているシマノレーシング。その原動力の1つなっているのが、シーズンイン前に実施された沖縄でのチーム合宿です。

チームを率いる野寺秀徳監督は、年に数回実施されるという合宿の中でも、特にシーズンイン前の合宿には重要で、大きく2つの目的があると言います。「1つはシーズンを戦い抜くための体力をつけることです。走行環境が良く比較的温暖な沖縄で、ベースを作るためにたくさんの距離を乗り込みます。もう1つが、新加入の選手を含むチーム全員が集まってチームワークを高めること。(昨今の好成績は)このシーズン前に開催する合宿で培ったチームワークの賜物かなと思います。今年からは、選手たちが持っている知識・技術・経験をチームメイトにプレゼンする新しい試みも取り入れてみました。各々が何を考えているかを理解しあうことで、より選手間で連携しやすくなればと考えています。」

また、トレーニングの合間には「ツール・ド・沖縄」のコースからもほど近い本部(もとぶ)小学校を訪れ、内間康平さんと共に交流会に参加。野寺監督によるロードレースの見どころ解説に聞き入ったり、選手たちが使用する本物のレーシングバイクを持ち上げて「軽さ」に驚いたりと、約250名の生徒さんたちにとって自転車競技の魅力に触れる貴重な機会となりました。

【更なる高みを目指すシマノレーシングの2025年シーズン】


ツアー・オブ・ジャパンでは山岳賞とポイント賞を獲得、Jプロツアーではチームランキング2連覇など、大成功のシーズンとなった2024年を経てもなお、シマノレーシングは更なる高みを目指して2025年シーズンを戦っています。野寺監督が語る今シーズンの目標をご紹介しましょう。「2019年に入部選手で勝った全日本選手権をもう一度このチームで制すことが今季の最大の目標です。現状のチーム力ではまだ遠いところにいると思いますが、ただ決して不可能ではないはずです。加えてUCIレースで複数回は勝利したいですし、Jプロツアーの年間チームランキング3連覇も目指していきます」。

5月にはツール・ド・熊野とツアー・オブ・ジャパン、6月には全日本選手権を控えて、4月後半から国内のロードレースシーンは更に加速します。PropelとTCRと共に勝利を目指すシマノレーシングへ、応援のほどよろしくお願いいたします。また、5月から選手たちは、チーム仕様のスペシャルペイントバイクを駆る予定ですので、こちらもぜひご期待ください。

【取材:内間康平さん(ジャイアントアンバサダー)】


プロロード選手として世界各地のレースを転戦し、ロードレースの第一線で活躍。プロ選手引退後はレースに参戦しながら自転車の様々な楽しみ方を多くの方に幅広く伝える活動をしている。現在の愛車は昨年フルモデルチェンジを果たした第10世代のTCR Advanced Pro。

Photo : compo de ring (Instagram), GIANT JAPAN

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