レースレポート:第30回全日本自転車競技選手権シクロクロス

2024年12月19日

チーム/ライダー

12月14日(土)~15日(日)の2日間に渡って「第30回全日本自転車競技選手権シクロクロス」が開催されました。GIANTサポートライダーの副島達海選手(大阪産業大学)と柚木伸元選手(日本大学)をはじめ、日本一に挑んだTCXライダーの活躍をご紹介します。

今年1月の前回大会に引き続き、栃木県宇都宮市・道の駅ろまんちっく村で開催された今大会。滑りやすい泥キャンバーのUターンや、壁のようにそびえたつ3段坂といった名物区間を含む1周2.7kmの特設コースは、テクニック、パワー、そして変化する路面状況への対応力を試す、まさに全日本王者を決めるにふさわしいレイアウトで、各カテゴリーの熱戦を生み出しました。

MEN ELITE:飛び級参戦の副島選手が2位入賞
9周回で争われた男子エリートは、21歳ながら特例でエリートカテゴリー出場が認められた副島選手が参戦。2連覇中の織田聖選手(弱虫ペダルサイクリングチーム)や、2016年に宇都宮で全日本を制した沢田時選手(宇都宮ブリッツェン)に挑みました。

ホールショットを決めた副島選手は、スタートからハイペースを刻み、序盤は織田選手と沢田選手との3名パックでレースを進めます。しかし、3周目に織田選手がアタックすると、副島選手は沢田選手と共に遅れを取ってしまいます。その後、脚が攣ってしまった副島選手は追走のペースを上げることができず、織田選手をとらえることは叶わなかったものの、沢田選手を引き離してエリート初挑戦を2位で終えました。優勝は盤石の走りを見せた織田選手でした。


レース後、副島選手は「(今季JCXシリーズで2回)聖さんに勝てたからこそ、全日本も勝てるかもしれないと思い、すかしながらも、レース前は本当に緊張していました」と大きなプレッシャーを感じていたと明かしました。

2位の好成績に反して「聖さんのハイペースについて行くことができず力不足な部分はありましたが、もっと良い走りができたはずだし、皆さんにもっと熱いレースをお届けできたはず」と悔しさを露わにした副島選手。目を潤ませながらも「(CX全日本王者への挑戦は)これからも続いていくので、自分と観客の皆さんの両方にとって、もっと楽しいレースができるように、もっともっと強くなりたいです」と、地元大阪開催となる来季の全日本選手権に早くも意欲を燃やしています。

完走18名のみという厳しいレースとなった男子エリートでは4名のTCXライダーがトップ10入りを果たし、横山航太選手(ペダル)が4位、加藤健吾選手(臼杵レーシング)が9位でフィニッシュしました。

MEN UNDER 23:柚木選手が2大会ぶり2度目の優勝 TCXライダーが表彰台独占

7周回で争われた男子U23は、ホールショットと共に柚木選手が勢いよく飛び出すものの、1周目の3段坂の入り口でチェーン落ちを喫して後退してしまいます。代わって先頭に躍り出た髙橋翔選手(TCX使用)が、着実に難所をこなしながら、先頭を突き進みます。

難コースに苦戦を強いられながらも後方から追い上げる柚木選手は、4周目に髙橋選手との合流を果たし、ここからは互いの意地と意地がぶつかりあう激しい一騎打ちに。勝負を決したのは最終周の泥キャンバーでの押し歩きでした。「この周だけは内側が速かった」という柚木選手の判断が功を奏し、高橋選手からリードを奪うと単独先頭でフィニッシュ。2大会ぶりにU23王者に返り咲きました。

「序盤は焦ってミスが多く(高橋選手に)追いついてからも劣る部分が多かっただけに、何とか勝つことができたという印象でした」と接戦を振り返った柚木選手。「(2位だった)前回大会も頑張ったが獲れなかったので、再び勝つことができて嬉しく、また、ほっとしている部分もあります」と、2枚目の日の丸ジャージを獲得した喜びを語りました。

柚木選手と熱戦を演じた高橋選手が2位、後方から追い上げた遠藤紘介選手(Olandabase/Watersley)が3位に入り、男子U23はTCXライダーが表彰台を独占しました!

MEN JR:成田光志選手(OLIVE)が2連覇達成

6周回で争われた男子ジュニアは、TCXを駆る前回大会覇者の成田選手が、リア最大40Tの低ギア比と共に難コースを攻略。「前回よりも難しいコンディションでミスもあったが、終盤にかけて冷静に走ることができました」と語る成田選手が、野嵜然新選手 (桐光学園高等学校/RACING TORQUE) との、終盤にかけての接戦を制して見事2連覇を達成しました。

MU17/15・MM60+・MM40-49の各クラスでも表彰台を獲得

日曜日の最初のレースとなった男子U17では蜂須賀巧真選手(BUCYO COFFEE/Urban Deer Cycling Team)が2位、郷津輝選手(Dream Seeker Jr. Racing Team)が3位に。同時出走の男子U15では富樫悠太郎選手(CROSS YAMANASHI)が3位に入り、表彰台を獲得しました。

前日土曜日のマスターズクラスでもTCXライダーが活躍。スプリント勝負にもつれ込んだMM60+では増田謙一選手(SHIDO -WORKS)が惜しくも2位、中盤にかけて先頭争いを演じた久馬逸志選手(今日も押しまs)が3位に。ME1ライダーが多数参戦するハイレベルなMM40-49では、一旦最後尾まで順位を落としながらも驚異的な追い上げを見せた藤田耕志選手(TEAM RINGOROAD)が3位に入りました。

GIANTブースにご来場頂きありがとうございました

今大会にエントリーしたTCX/Bravaユーザー様に、参加賞として全日本選手権限定の特別版TCX友の会ステッカーをお配りいたしました。大会期間中の寒いなか、ご来場いただきありがとうございました。

全日本選手権は終わりましたが、国内のシクロクロスシーズンは3月まで続きます。各地のレースでベストな走りをできることをお祈りいたします。

Photo:GIANT JAPAN

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