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ハーパー選手がジロ・デ・イタリア第20ステージ制覇! チームに今大会2勝目をもたらす

2025年6月2日

チーム/ライダー

Team Jayco AlUlaのクリス・ハーパー選手(オーストラリア)が、5月31日(土)に開催されたジロ・デ・イタリア第20ステージで逃げ切り優勝。今大会の最高標高地点へと至るフィネストレ峠でアタックを決め、キャリアハイとなる勝利を挙げると同時に、チームに今大会2勝目をもたらしました。

独走に持ち込んだハーパー選手がキャリア最大の勝利を挙げる
最終日ローマでのマリアローザ着用権をかけた、4つ巴の総合優勝争いが繰り広げられる前方で、アタックを決め、喜びを全身で表現しながら先頭でフィニッシュラインにやってきたハーパー選手。怪我や病気を乗り越え、プロ6年目にしてようやく手に入れた待望の勝利であり、自身にとってのUCIワールドツアー初勝利でもあります。

最終日前日の第20ステージは、今大会のチーマ・コッピ(最高標高地点の意)であり、登坂距離18.5km/平均勾配9.2%、そしてラスト8kmは未舗装路という悪名高きフィネストレ峠を含む203kmで争われました。序盤に形成された32名という大人数の逃げ集団は、残り45km地点で9名にまでメンバーを減らしたものの、マリアローザを含むメイン集団に対して10分のタイム差をつけてフィネストレ峠に到達。斜度が増す中で、レミ・ロシャ選手(フランス、グルパマFDJ)の加速をきっかけとして、ハーパー選手とアレッサンドロ・ヴェッレ選手(イタリア、アルケア・B&Bホテルズ)の2名が抜け出します。


未舗装路へ突入後、残り32.5km地点でハーパー選手はペースをあげると、そのまま独走を開始。大勢の観客が詰めかけたフィネストレ峠山頂を、2位のヴェッレ選手に1分30秒の差をつけて通過します。山頂にフィニッシュが設けられたセストリエーレ峠でも、勢いそのままに快走を披露し、キャリアハイとなる勝利を挙げました。チームにとっては、第8ステージのルーク・プラップ選手(オーストラリア)に続く2勝目となります。

クリス・ハーパー選手はオーストラリア・メルボルン生まれの30歳。ツアー・オブ・ジャパンに3度参戦し、2019年には富士山ステージを制して総合優勝を果たすなど、日本にもゆかりのある選手で、2023年よりTeam Jayco AlUlaに所属。第20ステージでは、CADEX Race Integrated HandlebarやAMP Saddleを装備して軽さを追求したTCR Advanced SLを使用しました。


クリス・ハーパー選手のコメント
「まさか勝てるとは思っていませんでした。昨日の第19ステージでも逃げに乗っていたので、今日はどうなるかまったく分かりませんでしたし、正直なところ脚もあまり残っていませんでした。加えて、逃げに乗ったとしても、今日は総合優勝争いが激化して、彼らに飲み込まれてしまうだろうと考えていました。それでも大人数の逃げ集団に入れたので、頭を使ってスマートに走ろうと心がけながらも、最後まで全力を尽くして、何とか持ちこたえられることを願っていました。

(フィネストレ峠のステージで勝てたことは)本当に大きな意味があります。とても有名な峠ですし、ここでステージ優勝できたことを誇りに思います。非常にチャレンジングなステージだったので、それをやり遂げられて本当にうれしいです。


(ジロ・デ・イタリアの)スタート時はかなり調子が良かったのですが、2回目の休息日の午後に体調が悪化してしまい、抗生物質を飲むことになってしまいました。総合争いから脱落してからは、できる限り回復に専念して、終盤の山岳ステージで逃げに乗って結果を出せるかどうかに集中していました。

最後にもう一度チームカーにタイム差を確認した時、(ステージ3位で逆転総合優勝を決めた)サイモン・イェーツ選手(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)が後ろから迫っているのが分かっていたので、逃げ切れる自信はあまりありませんでした。残り1.5kmくらいで、ようやく勝利を確認し、少しホッとすることができました。」

ステージ2勝を含む7度のステージTop10
ジロ・デ・イタリアでの3週間を通して、チームの力強いパフォーマンスを証明したTeam Jayco AlUla。8名のライダーのうち、5名がステージTop10をマークしました。グランツール初出場のポール・ダブル選手(イギリス)とダヴィデ・デプレット選手(イタリア)は序盤から積極的に逃げ集団に喰い込み、デプレット選手が第3ステージで10位に入ります。ドロミテ山塊が舞台の第15ステージではフィリッポ・ザナ選手(イタリア)が6位、第18ステージでは再び逃げ集団に入ったデプレット選手が8位に。


「今回のジロは2つのステージ優勝を果たし、チーム全体にとって素晴らしいものとなりました」とコメントするのは、デビッド・マクパートランド監督。「グランツールでは常にステージ優勝を目標にしています。今回2つのステージ優勝を達成できたことは、ジロでの3週間の道のりを成功裏に終えた証です。また、5名の選手がトップ10入りを果たしており、これは今回のジロにおけるチーム全体の層の厚さを示しています。本当にバランスの取れたチームです。」とチームの活躍を評価しました。

Team Jayco AlUlaの主な戦績
第3ステージ   10位:ダヴィデ・デプレット選手(イタリア)
第8ステージ   優勝:ルーク・プラップ選手(オーストラリア)
第10ステージ 7位:ルーク・プラップ選手(オーストラリア)
        9位:マイケル・ヘップバーン選手(オーストラリア)
第15ステージ 6位:フィリッポ・ザナ選手(イタリア)
第18ステージ 8位:ダヴィデ・デプレット選手(イタリア)
第20ステージ 優勝:クリス・ハーパー選手(オーストラリア)

Photo : Sprintcycling

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