Mips(ミップス)とは?

回転衝撃を吸収するMIPS

現在市場には数多くのヘルメットが存在し、ライダーは多様なスタイルから好みのモデルを選択することが出来ます。その中でも、GIANTの最新世代のヘルメットはMips(Multi Directional Impact Protection System: 多方向衝撃保護システム)と呼ばれる保護レイヤーを搭載し、プロテクション性能を向上させています。Mipsとは、ヘルメットの内側に保護レイヤーを設け、衝撃を受けた方向に頭部をスライドさせることで保護性能を向上させ、脳へのダメージを軽減させる革新的なテクノロジーです。Mips搭載のヘルメットには、イエローのMipsロゴが付記されています。

リアルな衝撃に基づいたMips

市場に存在するほとんどのヘルメットは、平面に対して垂直に落下させるテストによってその耐衝撃性能を評価しています。Mipsテクノロジーは脳科学研究者たちの、19年にもおよぶ研究とテスト結果を元に生み出されました。ライダーが転倒した時、打ち付けた頭部と地面に角度がつくことによって、ダメージは回転衝撃となり脳へと伝わります。ヘルメット内側に設けられたMips低摩擦レイヤーが回転衝撃を吸収することで、Mips非搭載のヘルメットよりも優れたプロテクション性能を発揮することができます。

脳へのダメージ(負荷)を軽減させるMips

Mips特許技術は、スウェーデンの王立工科大学(KTH)とカロリンスカ研究所の生体力学と神経科学で世界をリードする研究者によって開発されました。

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Mipsありとなしの二つのヘルメットを同じ速度で衝撃テストを実施した場合の、脳への負荷レベルの違いを計測しました。実験の結果、Mipsのないヘルメットを使用した方が赤くなっている部分(脳への負荷が大きい)が多く、 Mipsが脳に伝達される回転衝撃を軽減することが分かります。

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衝撃によって何が起こるのか?

転倒して頭部を打ち付けた時、人間の脳は頭蓋骨内壁の膜組織に沿ってわずかにスライドすることで、回転衝撃を和らげる構造を持っています。Mipsはこの構造に着目し、さらなる技術的な改良を経て生み出されたテクノロジーです。頭部とヘルメットの間に低摩擦のレイヤーを配置した構造は、度重なるテストを経て、その高い衝撃吸収性能を証明しました。

すべてのカテゴリーのヘルメットに搭載可能

Mipsを搭載したヘルメットは、外側のシェルと内側のライナーの間に低摩擦のレイヤーを保持しています。ヘルメットが地面に打ち付けられた時、Mipsはシェルが頭部に対してスライドするように働きかけ、衝撃を吸収します。またMipsはその構造上、ヘルメットのデザインや快適性を損なうことがありません。

Mipsを搭載したヘルメットは非搭載のモデルに比べて、転倒時の回転衝撃に対してより高いプロテクション性能を発揮します。Mipsの研究は1996年から始まり、プロテクション性能を高めるべく通常のヘルメットとの比較実験が行われてきました。実験の結果、Mipsの導入により脳に伝わる回転衝撃が軽減されることが証明されました。

最先端の安全性

Mipsは頭部へのダメージに関わる最新技術の知識と、30年にもおよぶ長年の科学研究のもとに生み出されました。Mipsの研究過程において、コンピューター上で衝撃による脳へのダメージをシミュレートできる有限要素頭部モデルが開発されました。この頭部モデルはMips搭載ヘルメットのプロテクション性能をテストし、安全性能を最適化するツールとして使用されています。

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Mipsを搭載したヘルメット